「今日遊べる相手さえ見つかればいい」と思ってやっていたアプリで会った人と一緒に暮らすことになってしまった

29歳を目前にして、長年交際していた彼氏に振られた。結婚願望が強い方ではないが、このままこの人と結婚することに疑問を持っていなかった。まさか、自分が「結婚できない女」になることを怯える日が来るなんて想像もしていなかったのだ。

粉々に成った心を拾い集めて、出会いの場に積極的に出向いた。28歳のうちに新しい彼氏を見つけるべく、合コン、アプリ、紹介、出会いのきっかけになることはなんでもした。

1ヶ月で10人程と会っても好みの人はなかなかいないし、唯一いい感じかもしれない人とはうまくいかず、私はたった1ヶ月で疲れ果てていた。

そしていつの間にか彼氏を作ることを半ば諦め、昔少しやっていた”彼氏を探すにしては少し軽率なアプリ”で一緒にいて楽しい人を探して1日限りの関係を楽しむ方向へシフトしていた。

このアプリは交際目的でしている人などきっといないであろう。その代わり、このアプリで出会える人はみんな「すごくモテるんだろうな」という人ばかり。そんな男たちとの時間を過ごすたび、私はどんどん狂っていた。

そんな中、出会ったのが今の同居人、のちに彼氏になる3歳年下の彼だ。

粋な焼き鳥屋さんを待ち合わせ場所にしてきた彼は写真で見るより幼く、でもいい意味で変な人だった。旅が好きで見た目の割にお酒がすごく強くて、まっすぐな目をしていて、綺麗な顔立ちに似合わない豪快な笑い方をする彼は、他の男の多くが酔った私にしてきたようなことを彼はしなかった。

そして、私たちはなんども会う約束をして、その度に彼を知り、彼を知るたびに、私は彼の何も知らないような気がした。

「こんなアプリで出会ったんだから上手くいきっこない」

彼が私に告白をして、出会った当初は彼女がいたという種明かしを聞くまではその思いを拭えませんでした。

結果、彼は「彼女と喧嘩をしてその腹いせにアプリをしていた」ということだったので、やっぱりこのアプリには彼女を探している人はいないんだなと納得できた。

私たちは、彼が私の知らないところで彼女と別れてくれて私と付き合うことになった、とう本当に珍しいケース。

今となっては共通の知人たちにこんなアプリで出会ったなんて言えなくて、馴れ初めを聞かれたら適当にごまかしている。