街コンに行くのには抵抗があった。なんだか出逢いに飢えているような気がするし、出逢いは自然な方がいい、そんな理想があった。
しかし、20代も後半に差し掛かった。同年代の周りは結婚しはじめ自分も乗り遅れたくないという思いがあった。街コンは嫌だなんて言ってられなくなった。
社内には目ぼしい女性はいない。合コンは飽きた。だからと言ってナンパするほどの勇気はない。僕にとって案外街コンのシステムは性にあっているのかもしれない。
そんな思いから僕は友人を誘って街コンに行きはじめた。街コンに行ってみるとそれは今までの出逢いよりも幾分か効率がよかった。合コンでは一日で知り合う異性の数は多くても5人程度だ。しかし街コンであれば10人ぐらいと知り合える。数打てばそれだけ多くの人に出逢えるのだ。
何度目かの街コンである女性と知り合った。タイプだった。大人しい彼女は街コンという場にあまり馴染めずにいた。僕もあまり会話は得意ではないがどうにかして連絡先を交換した。
そして後日デートの約束をしようと思い連絡をした。がその返信に返ってくることはなかった。まあ、そんなこともあるさと思い、僕は一緒に行った友人にその話をした。友人は、「自分も一度その子に連絡をしてみる」と言って彼女に連絡をした。すると彼女は友人には連絡を返したらしく二人でご飯を食べに行く約束をした。
僕は内心悔しかったがそれもしょうがないなと思った。友人にまた経過を報告するように頼んだ。すると後日友人から連絡があった。
その内容が僕の人生の中で大きなターニングポイントとなる。
どうやら彼女は僕と友人を逆にして覚えていたということだった。無理もない。一日に10人以上の出逢いがあれば顔と名前が一致しないことがあって当然だ。
友人は僕にもう一度彼女と連絡を取ってみたら?と提案してくれた。
僕は友人の厚意に甘え、彼女と食事の約束をした。
あの時、友人が彼女と食事に行かなければ掛け違えたボタンがなおることはなかっただろう。運命とは不思議なものでその彼女とは数年の交際を経て今は
僕のお嫁さんになっている。とても大切な思い出となっている。