大学生だった頃、北海道出身である私はやはり地元で働きたいという気持ちがあり、道内の企業に新卒で就職しました。しかし、入社してすぐに配属された研修先はなんと東北の店舗でした。東北や関東に店舗があることや行く可能性があることは知っていましたが、まさかいきなりそうなるとは思ってもみなかったので私は驚きました。旅行にすら行った事の無い土地で新生活をすることになり、私は心細い気持ちで一杯でした。
しかし、同期の中には私と同じように北海道出身でいきなり東北に行くこととなった人は他にもたくさんいました。その中の一人が主人でした。主人とは研修店舗が一緒になりました。研修期間は1ケ月半ほどでしたが、その間北海道から来た新入社員は全員最寄りのマンスリーマンションに入居し、一緒に出退勤します。生活のサイクルを共にすることで仲間意識が芽生え、私と主人もお互いの心の距離が縮まりました。しかし、さすがに入社したばかりで恋愛をする余裕など無く、この時は同志という感じでした。
研修が終わり、各々が本配属先へ異動になります。私は北海道に帰れることを期待しましたが、それは叶わず同じ県内の地方の店舗に配属となりました。主人も同じでした。そして、偶然にも同じ研修店舗だったメンバーの中で一番近くになったのは主人だけでした。
この頃から仲が深まっていきました。休みの日にはお互いの近況報告をする為に会うことが増えていきました。そうしているうちに意気投合しお付き合いをするようになりました。
本配属から1年を過ぎた頃、私と主人は同時に転勤が決まりました。二人とも北海道に帰れることとなったのですが、同じ店舗になる事は叶いませんでした。北海道は広く、私と主人の間には280㎞ほどの距離ができ隔たりとなりました。それでも最初は以前のように休日にお互い交代で会いに行っていましたが、仕事も徐々に忙しくなり体力と気力が持たなくなってきたところで、自然と一緒に住みたいねという話が出るようになりました。まだ入社して3年経過していなかったこともあり、主人の事を諦め仕事に専念することも頭をよぎりましたが、話し合いを重ねていくうちに一番後悔しないのは主人との関係を続けていく事だと思い直し、まもなく結婚にいたりました。
現在は結婚11年目。私は途中で退職してしまいましたが、今でも会社に関する思い出話を二人ですることがあります。初めての土地での心細さや、遠距離恋愛という試練があったからこそ結婚までたどり着く事ができたのかもしれないなと思っています。