出会って12時間で交際することに。

私が妻と出会ったのは、今から8年前の33歳の頃でした。
場所は大分県の九重連山にある坊がつるキャンプ場です。

9月半ば、私はいつものように坊がつるキャンプ場にテントを張り、ソロキャンプをしていました。
翌朝早朝、大船山に登り、日の出を見るつもりでした。
シーズンオフの平日ということもあり、私を除いて2人しかキャンプしておらず、その1人が妻でした。

いつものように、午後6時くらいに晩ごはんを作り始めました。
私が調理していると、将来妻になる女性が私のもとに来て言いました。
「醤油を忘れたので貸してもらえませんか」
私は快く貸しました。

調理が終わり、ご飯を食べようとしていると、また妻が私のもとに戻って来て、
「醤油のお礼にこれを食べて下さい」
と言って和風パスタをくれました。
それをきっかけに私たちは、一緒にご飯を食べることになりました。

妻とは初めて会ったとは思えないくらいに楽しく話すことができ、夕食後も一緒にコーヒーを飲みながら話を続けました。
翌朝が早いので、そろそろ寝ないといけないとは思いながらも、妻との会話を止めるのが惜しくて、話を切り上げることができませんでした。
なんとなく運命的なものを感じた私は、思いきって翌朝の大船山への朝駆けを誘ってみました。
妻は快く誘いに応じてくれ、一緒に朝駆けをすることになりました。

翌朝3時半に大船山へ向けて出発し、夜明けを待ちました。
その日の夜明けは、それまで見たことがないくらいに素晴らしく、声が出ないほどでした。
感極まった私は、思わず妻に告白してしまいました。
今考えると、恐ろしく無謀でしたが、雰囲気に流されたのか妻も即答でOKしてくれました。

キャンプから帰り、友人たちに彼女ができたことを伝えると、皆一様に驚きました。
中には、雰囲気に流されただけだから、すぐに別れるという人もいましたが、私たちは1年の交際期間を経て、結婚することになりました。
後年、妻に醤油を忘れていなければ、話しかけてきたかと尋ねてみると、即答で「NO」でした。
人生は偶然の重なりあいの上に成り立っているものだと心から思いました。