ひとめぼれの恋が成就

当時大学生だった私は卒業を1年後に控え、進路に悩んでいました。と言うのも、当時は第二次オイルショックの影響で企業の採用は激減、新卒者にとっては氷河期の就職戦線で、自分が希望するような業種での就職もままならない状況でした。

その時に、日本と中南米の某国との間で、政府交換留学制度があることを知り、ダメモトで応募、筆記試験と面接試験を経て、無事合格しました。

出発前に東京で合格者を集めたオリエンテーションがあり、そこで初めて彼女と出会いました。出会ったと言いましても、会場に集まった40名前後の参加者のひとりとして遠くから眺めていただけですが、第一印象は実に大人びた綺麗な女性だなあと胸がドキンとするほどのインパクトを受けました。

その2か月後に日本を出発、留学先の国に渡航し、2週間ほどは再び、現地の保養地でオリエンテーション合宿があり、最終日にホームステイ先が各自に通知されました。幸運にも私と彼女は同じ都市に滞在し、同じ大学で1年間学ぶことになりました。

私は、彼女と出会うまで恋人と言える彼女は出来ず、何と失恋 8連敗中という惨めな若者だったんですが、好きになるとどうしても我慢が出来ず、直ぐに相手に告白してしまうタイプの男でした。

今から思うと、直球しか投げられない不器用な若者だったんです。留学先に落ち着いてから大学の帰りにカフェに寄ったり、ショッピングに出掛け、1ヶ月もしない間に、彼女と会話する機会も増え、益々私の心は傾いてしまいました。

ある日、彼女が現地で病に倒れ、入院する騒ぎとなり、私は入院先に毎日通って、彼女の側に付き添っておりました。

この入院を契機に、二人の関係は急接近し、ある夜景の美しい港町で私はいきなり結婚を前提にしたお付き合いを申し出たのです。
まだ就職先も決まっていないのに、今思うと相当思い詰めていたのかなあと思い出されます。
断られるかなあ、9連敗かなあとある程度覚悟もしていたんですが、意外や意外、彼女からOKの返事をもらいました。

1年後に二人とも帰国し、遠距離恋愛が1年間続き、お互い無事に就職先が決まり、大学も卒業、足かけ6年の恋を経て、無事結婚に至りました。お互い年を取りましたが、いまも幸せな夫婦生活を送っています。