オタクな彼のおもしろさに惚れ込んだ話

彼と初めて出会ったのは、大学入学後すぐの頃でした。
その頃私は、同じ一人暮らしの友人達数人と、学校の講義が終わってから集まり、毎日の様に夕食を作っては食べて夜中まで騒いで過ごすという日々を送っていました。
厳しかった親の管理下から離れてはめを外していたのもあるし、一人暮らしの寂しさも紛れるし、単純に集まってわいわいするのが楽しかったからでもあります。

そんな友人の一人が連れてきたのが彼でした。初めて会った時、こちらが名乗った後に名前を聞いたところ「私は・・・」と言ったまま黙ってしまった彼。その日は結局、待っても待っても彼から名前を聞くことはできず、彼を連れてきた友人から名前を聞くことになりました。よっぽどシャイな人なのかなとその時は思っていたのですが。
その次に会った時に改めて聞いてみると、「どんな風に名乗ったらたおもしろいか考えてた」と言うのです。なんておもしろい人だろうと思いました。

それからしばらくして、友人達数人と一緒に彼の家に行くことになったのですが、一歩入ってみてびっくり、そこはいわゆるオタクの城でした。一人暮らし用のワンルームの部屋に所狭しと置かれたフィギュアや本、ポスター、その他諸々・・。今までそのようなタイプの人と関わったことがなかったためとても新鮮でおもしろく感じました。

その後も友人として彼と交流していたのですが、今日は~の放送があるから帰らなきゃ、と言って焦って課題を終わらせて帰って行く姿や今日は~のイベントがあるから、と言って、昼食代を削って交通費に代えてまで遠方まで出かける姿、話す言葉の所々に出てくる何かのアニメの台詞、等々が全ておもしろくて、この人と一緒にいると飽きないなあと感じるようになりました。

そんな日々を数ヶ月過ごしたある日、彼の家で二人でアニメ鑑賞会をしていた時、「これからも私の趣味につきあっていってくれる?」と急に言われました。最初何のことかよくわからなかったのですが、ちょっと考えると彼なりの「つきあってください」の言葉なのだとわかりました。彼のおもしろさや誠実さはわかっていたので、その場でOKしておつきあいが始まり、結局結婚まで到達して今に至ります。今でも彼と一緒にいて飽きることはありません。