主人に出会ったのは、私が高校1年生(15歳)の時です。
ある春の日、所属していた吹奏楽部の練習の為音楽室に向かうと、学生ではない男性がドラムセットを叩いていました。服装はパーカーにジーンズとラフで、髪は無造作。第一印象は「オタクっぽい」でした。その時は誰かも知らず、こちらに声をかけてくる様子もないので簡単に挨拶をしただけ。もちろんこの男性が今の主人になるとは思いもよりません。
主人を見かけた数日後の全校朝会でのこと。「本日よりお越しになる教育実習の先生を紹介します。」という挨拶と共に現れた先生達の中に主人はいました。しかし先日見かけた時との変化にただただ吃驚。服装は少し細身のスーツをビシッと着こなし、髪は短く切られていて爽やか!私は先日とのギャップに思わずトキめいてしまいました。年齢は6歳しか変わらないのに大学生の主人がとても大人に見えました。
その後、主人は音大に在学中で実習中は吹奏楽部の手伝いをすることを知りました。先日はその打ち合わせに来たんだとか。そして同じ楽器を担当していた私が主人に演奏指導をしてもらうことになったのです。実際に関わった主人は、仕草や言葉遣いが丁寧で自然と尊敬できる人でした。故に、私の気持ちが憧れから恋に変わるのに時間はかかりませんでした。
しかし、教育実習は約3カ月で終了。それまでにどうにかしないと一切会えなくなってしまいます。そこで「部活の悩みや演奏指導の為」と強調してメールアドレスを教えてもらうことに成功!(今の教育現場では禁じられているかもしれません。)
そこから猛烈アピールを開始しました。そして「このまま何も変わらない関係は嫌だ」と強く思い気持ちを告白。
もちろん結果は玉砕でした。「俺は高校の教師になりたい人間だから、高校生は彼女に出来ない。」と見事なまでの正論。酷く落ち込みましたが「彼女になれない理由が年齢だけならまだ可能性はある!」と持ち前のポジティブさを発揮。それまで以上に何気ないメールをたくさん送りました。すると少しずつでしたが、私のことを「実習先の生徒」から「女の子」として見てくれるようになり映画やランチに誘ってくれました。
これを続けること3年!なんと私は、本当に卒業するまで恋を続けました。大学に入学した最初の冬。改めて気持ちを伝えました。「もう高校生じゃありません。好きです。彼女にしてください!」その時の主人の顔は今でも忘れられません。呆れたような根負けしたような、複雑ながらも少し照れた表情。こうして私の長期戦の片想いは幕を下ろしました。
そして出会って10年後の25歳でゴールイン。結婚3年目になる今でも、たまに「先生」と呼びかけてしまうことがあります。「外出先で言われると周りから変な目で見られるから止めて!」と慌てる主人が可愛いので、もう暫く反応見て楽しんじゃおうと思っています。