話のしやすい友達から特別な存在に

私と彼は、大学のテニスサークルで出会いました。
テニスサークルに入ったきっかけは私がもともとテニス経験者であることと、入学式の時に意気投合した友達からの誘いでした。
私は女子高出身で、とにかく男は危険という目で見ていました。
テニスサークルというと、どこも男性が多い!私は友達に隠れるようにして行き始めました。
入って2か月目のころ、いつも通り試合をする人、コートの外でおしゃべりをする人がいる中、私の後ろのベンチでは、「彼女できた?」というお決まりのワードで盛り上がっていました。
私には関係のない話・・・試合を見ながら、盗み聞きしておこう、そんな軽い気持ちでいると、
「はい、いますよ」という声。入学してまだ2か月なのにもう彼女作ったの?どんな人?
そう思いながら、チラ見すると、黄色い縁の眼鏡をしたいかにも少年といった人。第一印象は失礼ですが、モテてないだろうなーでした。なので、うそでしょ、この人に彼女いるの?と心の中で思っていると。先輩が「どんな子?可愛い?」と聞きます。
彼は照れることなく「可愛いですよ。」と答え、周りからの質問に「好きなことは悪いことじゃないんだからかくしませんよ」と素直に答えていました。
私の想像からかけ離れた意外な回答に、彼への見る目が変わりました。
男性への恐怖心や不信感を抱えた私でしたが、みんなと一緒にいる時間が増えてくると、サークルの人は大丈夫と思えるぐらいになってきました。
私と黄色い縁の眼鏡の彼は、テニスのライバルとして、サークルを楽しんでいました。
そして、一年が経とうとする頃、私にも彼氏が出来ました。
黄色い縁の彼とは、お互いの彼氏彼女の相談をする中になっていました。
しかし、黄色い縁の彼は彼女と別れました。私はそのころ、彼とは本当に性別関係なしの仲の良い友達となっていたので、こんな良い人を振るの?とショックでした。
そして、私は私で、束縛がきつい彼氏に疲れてきていましたが、情というのか、振ることが出来ず、ぼんやりとした感情で過ごしていました。もっと友達と遊びたいな、自由になりたいなとしょっちゅう思っていました。そんなとき、私は、久しぶりにサークルで黄色い縁の彼と話をしました。
「ねぇ、彼女がいたらなにしたい?」彼は「楽しいとろこへ連れていきたい。祭りとかスノボーとか!」と即答でした。
へぇ~、この人と付き合う人は絶対楽しいだろうな、そういう感情と共に、こんな人がいるんだ、私、もっと自分のこと幸せにしようとしてくれる人がいるかもしれない、そう思って、付き合っていた彼と別れました。
黄色い縁の眼鏡の彼に別れたことを話すと「そうなん?そしたら、これから遊びや家飲みに誘っていいんやね、楽しそう」と言ってくれまた。いつも意外な回答をしてくれる彼のことを私はだんだん気になってきました。でも、卒業まで一年。一年したら、就職して離れ離れになる。だから、好きだと伝えず、このままの関係を続けよう、そう決めました。
そうしているうちに、毎日メールをするようになり、甘え上手な彼は、一限目に間に合うようモーニングコールを頼んでるし、なんかいつもお腹空いてるから食べさせ絵あげたくなるし・・・
するともう、気になって気になって。私、好きかもしれへん。
ある日、話があると家にやってきた彼。話があると言っていたのにもかかわず、どうでもいい話を続ける彼。日をまたぐんじゃないかと思っていた時、「好きです、付き合ってください」と。
すごくうれしかったんです。同じ気持ちだということがすごくうれしくてたまりませんでした。
しかし、私には変わらない考えがありました。一年しか一緒にいれない、遠距離なんて無理。と。
でも彼は引き下がりませんでした。真っすぐな彼の気持ちに、私は、初めてあった日のことを思い出しました。好きなことは悪いことじゃないと恥ずかしがらずに言える、そんなところがやっぱり好きだと。
それから、私たちは付き合うことになりました。
周りのみんなは驚きました。活発な彼とおとなしい私が釣り合うの?と。
それは違うんです。彼の前では、普段の明るい私でいられる。そして彼は、私の前では繊細な部分を見せてくれる。
就職して遠距離恋愛となりましたが、3年後、結婚しました。
今は、可愛い2人の男の子との4人家族です。